コラム

2019年11月「講演の秋 ~心に残る伝え方~」

講演の秋

 美唄すずらんクリニックでは、心の医療を知ってもらうための活動として講演を行なっています。もちろん公的機関や医師会から機会を頂くこともありますが、理事長先生からの「どんどん表に出なさい」というお達しもあって、近年は積極的に自分から機会を作るようにしています。その一つは町のみなさんを対象とした定期講演会、もう一つはご要請を受けて職場や学校へ伺う出張講演です。

 11月9日(土)にもクリニック主催で秋の定期講演会を行ないました。足を運んでくださったみなさん、関係者のみなさん、本当にありがとうございました。これをもって僕の年内の講演予定は全て終了、無事こなすことができてほっと一息です。

 思えば人生で今年ほど講演をした年はありませんでした。やはり人前で話すからにはまず自分自身がしっかり勉強しなくてはいけないわけで、今年は数もそうですが内容や場所も様々だったので、とてもよい経験になりました。
 まあそれでも僕は月に一度くらいの講演頻度ですが、医師の中には年中講演で飛び回っておられる先生もいます。病気や治療に関する正しい知識が社会に普及することはとても意義があることなので、診療や研究・教育と並んで実は講演も医療者の大切な仕事だと思います。特に心の医療においては、知識の有無・情報の有無が患者さんの回復の命運を分けるといっても過言ではありません。

講演の秋

 確かに今の時代、情報を得るだけならインターネットでもできます。ウェブセミナーというネット配信の講演も増えてきました。でもやっぱり直接会場でその人の話を聴くと伝わるものが違います。僕も仕事柄人の講演を聴きに行く機会は多いですが、大きく学べたなあと感じたお話は、その会場の雰囲気と共に心に残っています。

 だから自分がする時もできればそんな講演をしたいなあと思います。人に伝わるように話す、というのはとても難しいこと。内容が良くてもお話がつたない講演もあれば、お話は面白くても内容がつたない講演もある。自分はまだまだでもっと良い講演にできたはずだと毎回感じます。
 とはいえこれは数を重ねてノウハウを会得していくものでしょうから、人生の課題の一つとし、また来年も機会があれば無理のない頻度でやっていけたらと思っています。

 最後になりますが、講演会が成立するのは、会場の手配やスライドの製作をしてくれる仲間、聴いてくださるみなさんがいてこそです。心より感謝しております。少しでも聴いてくださった方の心に残る講演ができるよう、今後も精進致します。

 では、今年の講演の足跡を活動報告として掲載しておきます。

■2019年 福場講演活動報告
2月25日(月) 「精神疾患が疑われる当事者と家族へのアプローチ」
(保健所主催美唄市支援者向け講演会にて)
3月2日(土) 「お話で治す?お薬で治す?新時代の心の医療」
(美唄すずらんクリニック春の定期講演会にて)
5月10日(金) 「好きと依存はどう違う?今日からできる依存症予防」
(江別すずらん病院春の健康相談にて)
5月31日(金) 「スマートフォンの青少年への影響」
(出張講演@美唄聖華高校にて)
7月3日(水) 「ぐっすり眠れば心も元気 今夜からできる不眠解消法」
(三師会主催講演会@コア美唄にて)
7月27日(土) 「心学塾出張講座 元気な心で働くテクニック
(神戸サンビレッジ主催講演会にて)
8月19日(月) 「元気な心で働くための心得」
(出張講演@美唄養護学校にて)
9月27日(金) 「依存症の基礎知識」
(職員向け講習会@なかまの杜クリニックにて)
10月24日(木) 「夢を叶えてスマートフォン 自分の心の育て方」
(出張講演@美唄中学校にて)
11月9日(土) 「手を引っ張るのか背中を押すのか 引きこもりへの心の支援」
(美唄すずらんクリニック秋の定期講演会にて)

(文:福場将太 写真:カヤコレ)

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