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コラム2025年12月「ある日」
令和7年12月8日夜、自宅で書き物をしていると机上の携帯電話がけたたましいアラートを鳴らしながら振動。そして部屋も大きく揺れ始めた。揺れが落ち着くのを待ってテレビをつけると緊急地震速報、震源は青森、東北と北海道の太平洋側の沿岸には津波の危険もあるという。そしてニュースキャスターは該当地域の住民たちに向けて「急いで逃げてください、立ち止まらずに高台へ走ってください」とくり返した。
否が応でも思い出してしまうのは昨年1月の能登地震。そして考える、一刻も早い避難が重要なのは間違いないが、夜中の雪道を高台へ向かって走るというのは大変なこと。今は熊被害のこともあるし、雪国ではそもそも夜中に外に出ること自体が危険。安全に高台まで走れる人ばかりではなく、むしろ地域によっては走れる人の方が少ないかもしれない。
しばらくテレビで続報を確認、ひとまず余震が来る兆候はなさそうで、建物が倒壊するほどの被害も出ていない様子。家族やクリニックの課長と連絡を取ってから眠りについた。
翌朝早めに出勤し、スタッフとお互いの無事を確認、特に院内の乱れもなく外来診療開始。
患者さんとの会話でもやはり地震のことは出てきて、びっくりして飛び起きた、心配でしばらく寝付けなかったという人もおられたが、幸い大きく調子を崩していることはなく一安心。
そんな何気ない一日。それはかけがえのない一日。
病も事件も災害も、この世界からなくなることはない。ある日は突然やってくる。
ありきたりな結論だけど、今日を大切に生きよう。
そして穏やかな令和8年が訪れることを心から願って。
(文:福場将太)






