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デイケア活動日誌
2026年06月『幸福な学び』
2026年6月20日(土)、デイケアのプログラムの一つである心学塾が最終回を迎えた。
もともと精神科におけるデイケアという治療は、長期入院が主体だった医療が、地域で患者さんを支えていこうという考え方に変わる中で登場した。ずっと入院していなくても、デイケアに通うことで、病状と生活の安定を保てるということだ。つまり、当初のデイケアの主な役割は『安全な居場所』であった。だが時代が進むに連れ、安定を維持するだけでなく、より心や体の機能を高める、より生活を充実させるといった『ステップアップ』の役割も求められるようになった。
美唄すずらんクリニックのデイケアも当初は『居場所』の機能が主体だった。長期入院を経験した中高年の患者さんが多かったこともあり、日々を穏やかに過ごすためのプログラムを行なっていた。
ただ少しずつ、外来に通院する患者さんの中に若い世代が増え、「一人暮らしがしたい」「仕事がしたい」という相談を多く受けるようになると、診察中の精神療法だけでは不十分、ステップアップのためのデイケアプログラムが必要と感じるようになった。
そこで開始したのが心学塾。土曜日の午後に集まって、働くことについて勉強するミーティング。ここで大切にしたのは、スタッフが患者さんに教えると言う一方通行ではなく、患者さんもスタッフもひっくるめて、ここでは全員が生徒で全員が教師という学び合いの姿勢だ。
最初は手探りだった。どんな内容にすればよいのか、どんな雰囲気にすればよいのか、試行錯誤しながら回を重ねた。ただ患者さんたちの優しさのおかげでだんだんと形になっていき、当初は発言できなかったメンバーも少しずつ挙手して意見を述べたり、自身の経験を明かしたりするようになっていった。
内容も、「働くことのメリットとデメリットは何か」「長く元気に働くためには何が必要か」などのテーマを決めての座学に始まり、社会生活技能訓練(SST)の手法を用いた「不機嫌そうな上司にどう話しかけるか」などのロールプレイ、実際に福祉的就労の事業所へ出向く職場見学ツアー、など色々と拡大していった。
最終回も特に気負わず、いつもどおりの雰囲気で「元気な心で働くために」と題して、自分がエネルギーを失いやすいことは何か、エネルギーを回復できることは何か、についてみんなで考え、発表していった。そして最期に、これまでの心学塾で印象に残ったことを挙げてもらった。
過労問題を考えた回、外出しておいしいものを食べに行った回、年末に開催した時事ニュースまとめの回などなど、それぞれの心に残っているものがあることがとても嬉しかった。
ちょいと調べてみると、初回の心学塾は2016年の6月、ちょうど十年前であった。第1回から参加しているメンバー、途中から参加しているメンバー、今は卒業しているメンバー、たくさんの患者さんたちに支えられながら続けてこられた。
心学塾は自分にとっても心についてたくさん学びになる時間で、精神科の医学書には載っていないこと、一人では気付けないことをたくさん勉強させてもらった。
これからは、患者さんもスタッフもそれぞれの試練が始まる。元気な心で働き続けていくために、ここでの学びがいつかどこかで役立ってくれたら嬉しい。
みんな、無理せず頑張れよ!
(文:福場将太)






