デイケア食堂日誌

2011年10月『秋の料理は月見頃』

 北海道の秋は短い。少し涼しくなってきたかと思えばもうすぐにストーブをたかなくてはならない寒い夜が訪れる。そんな冷たい空気の中、夜空に真円を描くのが月・・・まさに秋の風物詩である。
 さて、先日デイケア食堂において「秋の月見定食」が登場した。内容は栗ご飯、松風焼き、お吸い物、炊き合わせ、茶碗蒸し、ほうれんそうのおひたし、月見ゼリーとまさに秋の味覚を詰め込んだ彩豊かなものとなっている。
 和食なんて年寄りっぽい、おいしいのはやっぱりステーキ、ハンバーグ・・・なんて昔は思っていたけど、なんだかこのごろは素朴で味わい深いこれらの料理が妙においしかったりする。それは食欲の秋のせいなのか、私が老け込んだだけなのか・・・まあとにかく栗ご飯を食べていると日本人で良かったなんてことをついつい感じてしまう。
 北海道の秋は短いけれど、今のうちにみんなでしっかり秋の味覚を味わおう。そしてデイケアのメンバーもスタッフも、季節の移り変わりを心と体で味わおう。背伸びをしたってこの空の高さは変わらないし、今はただこの穏やかな時間を過ごそう。

・・・・・そんなことを考えていたら、どこからかもみじの葉がお吸い物にふわりと舞い込む。それは最高の色添え。・・・うーん、風流。

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