コラム

2014年09月コラム「修学旅行パート2」

 男らしくないのは百も承知ですが、結構アニバーサリー好きです。特に何周年とかにかこつけてイベントをするのが好き。普通にやるよりも記念と銘打つだけで何か特別な気がしてくるから不思議、そんなことで喜んでしまう人間です。

 さてこの9月に思い出すのは高校の修学旅行。広島はまだ残暑厳しいこの季節、飛行機で辿り着いたその場所は夏服で来たことをいきなり後悔させる涼しい大地…そう、北海道でした。
 まずはそのネーミングがとても気に入った地球岬、ホテルの瓦屋根に上がって見た洞爺湖の花火、巨大パフェに驚いた札幌の雪印パーラー、サザンとミスチルのオルゴールを買った小樽、海の青さに驚いた積丹、「馬の耳に念仏」を実演した日高ケンタッキーファーム…などなど今でも鮮やかに再生できる記憶です。移動中のバスから北広島の地名を見つけて、「おい北海道にも広島があるぞ!」なんて騒いでいた自分が今や北広島メンタルクリニックのある法人で働いているんだから、本当に人生は何が伏線になっているかわかりません。あの日の僕はまさか10年後に北海道で暮らしているなんて知る由もないのですから。広島に戻って年明けの一月、音楽の授業で仲間と発表したあの曲…修学旅行をテーマに作ったヒットの兆しもないあの愚かな青春ソングは今もマイブームの一番です。

 そして時は流れ…高校卒業10周年を勝手に記念して仲間たちと決行した北海道旅行。ただ単に北海道に就職した僕の所に遊びに来ただけなのだけれど、これを『修学旅行パート2』と銘打てばそれはもう奇跡のイベントに変わる。もちろんお互い仕事を抱える身、それぞれのスケジュールで広島や東京から北上し一緒に観光してまたそれぞれのタイミングで帰っていく慌しい旅。それでも一日だけは全員一緒に行動できた。大きな車をレンタルして、10年前のコースを回る。当時の修学旅行のしおりを持ってくる愚か者まで登場。ちなみにこいつは10年前に買った札幌地下鉄のカードまで持参し、続きを使用するなんてこともしてみせた。そんな成長したのかしてないのかの修学旅行パート2、もちろんコース全部は無理だけど、地球岬や雪印パーラーなどいくつかの思い出を再体験した。車内にはギターを持ち込んで、後部座席で校歌や懐かしのヒット曲、そして売れないあの曲なんかを歌ったりした。

 …愚かだ、愚かすぎる。こんな僕たちを蔑んでくれたまえ。あれからさらに時は流れ、お互いもっともっと忙しくなって、色んな物がくっついて、ただの同窓会だってなかなか開催できずにいる今。もう無責任ではいられない。モラトリアムでは許されない。これから先もっともっとどうしようもない現実を知るだろう。でもね、やっぱり期待してしまう。そう、パート2があったんだからもしかしたらパート3もってね。今回のコラムを書くにあたり、あの愚か者に電話してみたらやっぱり今でも地下鉄カードは持ってるそうだ。「だってまだ残金があるから」とのことだが…これもまた複線かな?
 10年後でも20年後でも構わない。その時はまた同じキャスティングで、今度は沖縄で南廣島でも探そうか。あの主題歌を口ずさみながら。


SEASON TRAVEL

涙や汗や微笑み溶かし合って 共に過ごした夏があるのさ

どこか矛盾(ヘンテコ)な気持ちは
青春したがるこの場所のせい …かな?
海が見える岬に立てば
同じ地球(ほし)にいるんだねと今更感じた

涙の理由(わけ)も全ては話せなくて またそれぞれ違うドラマ宝箱に
少しくらい逃げ腰になりがちでも まだ語れない夢があるのさ


現実に戻る最後の夜は
誰も時間を止めたかったんだろう でも
飛び込んでいく未来の中で
また会えるよ 好きな自分を消さなくても

疎遠同士で会話さえない人とも 同じ季節を感じて生きている
咲いては散る花火に涙したのは 誰かさんの恋に似てたからさ


落とし穴も回り道も誰にでもあるよ
まだまだこれから 何もかもがこれから

涙や汗や微笑み溶かし合って 共に過ごした夏があるのさ

恋人にはなれずじまいの二人でも 仲直りできずじまいの友達も
そうさ一度でも笑い合えたのなら その出逢いは間違いなんかじゃない

一生夢見たり恋してようよ それが僕たちのメンバーズカードさ
他に何のライセンスもいらないから

修学旅行パート2

(文:福場将太 写真:カヤコレ)

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