コラム

コラム2025年04月「13ページ」

 毎年恒例の航海日誌、その13ページ目となった令和6年度を振り返ってみよう。

 ただ…どうだろう。改めて考えると、この一年間は何か大きな出来事があったというよりも、ひたすらに熟考がなされていたのではないかと思う。美唄の閉ざされた精神病院を江別に移転し、開かれた心の医療を目指して新たなスタートを切ったのが2012年。当時からいる職員も当然年齢を重ね、組織も人もいつまでもそのままというわけにはいかない。
 これからをどうしていくべきか。この一年はその構想がなされたのだと思う。

 そして迎えた2025年4月。江別すずらん病院には新たな院長と副院長が誕生した。もちろんすぐに何かが変わるわけではない。それでも確実に、着実に、新しい動きが始まったのは間違いない。
 まずは長年院長を務めてくださった先生に心からの感謝を。これからはまた現場の医師としてさらに臨床の道を邁進されるとのことで、ものすごいバイタリティである。

 物価の高騰、人員の不足、世相の荒廃。溜め息をつきたくなることはたくさんある。
 それでも止まらない。どんな時代の海でも船体をトランスフォームしながら、風のすずらん会は進んでいくのだ。その先にある楽しい未来を目指して。

(文:クルー)

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